最近、月に一度ほど歯医者に行きます。
久しぶりに麻酔を打ったのですが、その帰り道にふと、思いました。
「歯医者の帰りは、やっぱり、ラーメンだよね。」
もう、何十年も前の話です。
人口10万人にも満たない田舎に住んでいた頃。
母は小学生の僕を、1時間近くかけてとなり街の歯医者まで連れていきました。
近くに歯医者がなかったわけではないんです。
理由はわからないけど、とくかく遠くの歯医者まで通ってました。
電車なんて、30分に1本しかないです。
でも、全然苦じゃなかった。
電車、好きだったんですよね。
後で知ったんですが、小さな頃、鉄橋の近くに行くと電車が通るまで動かなかったそうです(笑)
ちなみに歯医者は、嫌い。
そりゃあ普通の小学生ですから、キュイイーンの音も痛いのもやっぱ嫌でした。
ある日の診察後、しょげた顔をした僕に、母は言いました。
「ラーメン食べてこっか」
歯医者は駅前にありました。
ラーメン屋があったのは駅の構内だったかな?
はっきりは覚えていないけど、
歯医者のあとにラーメンを食べて帰ったことはしっかりと覚えてるんです。
だって、
麻酔の残った状態で食べたラーメンです。
超・食べにくい(笑)
それにね。当時の僕にとって、外食なんてめったになかったから。
5人家族で2DKの賃貸に住んでたくらいですからね。
駅の構内のラーメン屋だし、なんていうかもう、ザ・ラーメンて感じのシンプルさ。
どこにでもありそうな、普通のラーメン。
それが僕には、ごちそうだったんです。
よっぽど僕が喜んでたのか、それからは歯医者帰りのラーメンが定番になりました。
どんな味だったかは、あまり覚えてません。
たぶん、シンプルな醤油だったハズ、、、
覚えているのは、すすってもすすっても、
口の端からスープがこぼれてしまった事。
でも、それでも、とても嬉しかった事。
こんなにも昔の事を、覚えているのって不思議ですね。
突然思い出すのも、なんででしょうね。
次に歯医者に行ったら、ラーメン食べて帰ろうかな。
「歯医者の帰りは、やっぱりラーメンだよね。」