愛着が深まる!ゼインアーツの奥深い命名哲学と誕生秘話

「ゼクー」「ギギ」「ロロ」…あの人気テントの名前に隠された、日本の美しい風景と禅の教えを知っていますか?
ゼインアーツ(ZANEARTS)の製品名には、「座して半畳、寝て一畳」のミニマリズムから、荒船山の美しい雲海、そして「色即是空」の禅の教えまで、奥深いストーリーが秘められています。
この記事は、ゼインアーツの創設背景、開発哲学、そして全主要プロダクトの由来を網羅した完全保存版です。
愛用するギアに込められたストーリーを知ることで、あなたのキャンプライフがより一層豊かなものになるでしょう。
創設者・小杉氏の熱き想い:なぜゼインアーツは生まれたのか

ゼインアーツは、大手アウトドアメーカーの取締役まで務めた小杉敬氏が、その地位を捨てて2018年に長野県松本市で立ち上げたブランドです。
業界の「中間枠」を目指した理由
小杉氏は、当時アウトドア市場が「高価で高品質」な大手ブランドと「安価で粗悪」な製品に二極化し、中間枠が手薄になっている状況に疑問を抱きました。
「良い物は値段が高く、安いものは粗悪。このままいくとアウトドア業界に将来はないと思いました。」
ゼインアーツが目指したのは、ハイクオリティでリーズナブルな「中間枠」の創設です。
これは、「会社の利益のためだけでなく、お客さんに還元し、社会貢献する」という強い思いから生まれました。
社名「ゼインアーツ(ZANEARTS)」の由来

社名とブランドロゴには、小杉氏の座右の銘が根底にあります。
- 座して半畳(ZA):座っていられる畳半畳分。
- 寝て一畳(NE):寝ていられる畳一畳分。
これは、「自分の身の丈を知り、必要以上のものを望まない」という謙虚な精神性と、本当に必要なものだけを追求するというブランドの根本思想を表しています。
- ロゴのZは座っている人、Nは寝ている人を図像化したものです。
ゼインアーツのデザイン哲学:機能美を超えた「美しさ」

ゼインアーツの製品は、単なる機能性だけでなく、「自然と調和する美しさ」をコンセプトに掲げています。
美しさは「機能の追求」の先にある
小杉氏は、多くのメーカーが言う「機能美」について、「機能を突き詰めるとそこにあるのは機能のみだ」と語ります。
ゼインアーツの製品は、機能を第一に追求した上で、さらに「美しさ」を求めたデザインが施されています。
「美しい景色を見に行くのがアウトドアの本質だとしたら、そこで使う道具も美しくなきゃいけない。」
日本の美意識とネーミングの秘密
- ネーミング: 製品名は、日本の美しい景観にマッチした日本語(漢字)に由来しています。
- カタカナ表記の意図: 露骨に漢字で表現せず、「どこの国の言葉だろう?」と思わせるような音をカタカナ表記にすることで、日本人の持つ「外国の言葉に弱い」という心理を逆手に取り、ブランドを特徴づけています。
主要プロダクト名一覧:日本の言葉と情景
ゼインアーツのテント・タープの名称由来と、そこに込められた想いを解説します。
ゼクー(ZEKU):「是空」(色即是空の教え)

- 由来: 仏教の教理「色即是空(しきそくぜくう)」の「是空(ぜくう)」
- 哲学: 「有って無いもの」という禅問答のような意味が込められています。これは、創業者自身への「戒め」であり、「これから作っていくモデルに対してもそういう気持ちでありたい」というブランドの根本的なメッセージです。
- デザイン: 神社仏閣の軒からインスパイアされた、ゆるやかなカーブを描く軒(エクステンションフレーム)のデザインが特徴で、機能性と美しさを両立しています。
- 受賞: ファーストモデルにして看板製品である「ゼクーM」は、2020年度グッドデザイン賞を受賞しています。
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ギギ(GIGI):「巍々」(高く険しい様)

- 由来: 「巍々(ぎぎ)」
- 意味: 山などが高く険しいさまを表す言葉。「巍々たる岩峰」などのように表現されます。
- 製品への想い: 高くそびえ立ち、雄大で力強いタープ・シェルターのイメージを表現しています。
ロロ(LOLO):「浪路」(波の道、荒船山の雲海)の聖地

- 由来: 波の道「浪路(ろうろ)」
- 製品への想い:
- 開発者が長野県の荒船山でキャンプをした際、美しい雲海が発生し、まるで荒船山がタンカー船のように波の道(浪路)を渡っているように見えた情景が由来。
- 美しい景色を見る中に佇む美しいテントでありたいという願いを体現したモデルであり、荒船山はロロの聖地です。
- デザイン: ワンポール構造の設営のしやすさと、フレームワークによるデッドスペースの少ない広い空間を両立させた新しいスタイルのシェルターです。
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ロガ(ROGA):「露岩」(地表に露出した岩石)

- 由来: 「露岩(ろがん)」
- 意味: 地表から露出している岩石のこと。
- 製品への想い: 地面にしっかりと根を張り、自然の中に力強く佇むテントの姿をイメージした、2ルームテントです。
ゲウ(GEU):「夏雨」(夏に降る雨)

- 由来: 「夏雨(げう)」
- 意味: 夏に降る雨。
- 製品への想い: 季節感のある言葉を用いることで、日本の自然の情景に溶け込む美しいシルエットのタープであることを表現しています。
オキトマ2(OKITOMA-2):「オキノ耳トマノ耳」(谷川岳の双耳峰)

- 由来: 谷川岳の双耳峰(そうじほう)の名称
- 意味: 谷川岳の二つのピーク「オキノ耳」と「トマノ耳」を組み合わせたもの。
- 製品への想い: 日本を代表する美しい山、谷川岳の景観をイメージしています。前室とインナーテントの配置を縦分割に設計した画期的な2ルームテントです。
クク(KUKU):「栩栩」(生き生きとした様)

- 由来: 「栩栩(くく)」
- 意味:
- 「栩(くぬぎ)」の漢字を二つ並べたもの。
- 生き生きとしていて、自由で喜ばしいさまを表します。
- 製品への想い:
- 自然の中で自由を謳歌し、生き生きとキャンプを楽しむ情景を表現したネーミングです。
- ククを使用することで、ユーザーに喜びと解放感あふれる時間を提供したいという願いが込められています。
ギモーグ(GIMORG):「モルゲンロート」(山が赤く染まる情景)

- 由来: ドイツ語「モルゲンロート(Morgenrot)」
- 意味: 早朝、太陽の光が山に当たり、山脈が赤く美しく染まる現象のこと。「山が赤く燃えるように見える情景」として知られています。
- 製品への想い:
- 息をのむほど美しい、ドラマチックで感動的な自然の情景をイメージしたネーミングです。
- ギモーグが、そのような特別な瞬間を演出するギアでありたいという想いが込められています。
ウータ(WOOTA):「樹樹」(秋冬の情景)

- 由来: 漢字で「樹樹(ウータ)」
- 意味: 木々、樹木のこと。
- 製品への想い:
- 秋冬での使用を想定して開発されたモデル。
- 天候の影響を受けにくいテント内で、暖かく快適に過ごしながら、外に広がる紅葉が舞うさまを眺めるような美しい情景をイメージしながら開発されました。日本の豊かな自然の中での、静かで美しい時間を象徴しています。
アクセサリーにも宿る哲学

テント・タープ以外にも、ゼインアーツのアクセサリー(ギア)には、「緻密な設計」と「機能美+αの美しさ」が追求されています。
- グラートハンマー: スイングバランスに優れ、逆さに自立する機能美を追求したペグハンマー。
- グラートステイク: 刺せば刺すほど地面に密着するクサビ型を採用し、固定力と引き抜きやすさを両立したペグ。
- モビボックス: キャンプサイトになじむシンプルなルックスで、4本のポールで自立する自立式ゴミ箱。
まとめ:業界に革命を起こす次世代ブランド
ゼインアーツは、単に良い製品を作っているだけでなく、アウトドア市場の正常化と社会貢献という大きなミッションを背負った革新的なブランドです。
そのテントは、日本の伝統的な美意識と、ミニマリズムの哲学によって生み出されています。
小杉氏の熱意は、共同開発したサバティカルの大ヒットにもつながり、業界に大きな変化をもたらしています。
この「保存版」の記事は、今後も新製品が登場次第、随時更新していきます。
