アウトドアブランド「ゼインアーツ(ZANEARTS)」の全製品・全ギアの発売日を、創業の2018年から最新の2025年まで完全網羅した年表記事です。
この記事では、単に製品発売日をまとめるだけでなく、その年のキャンプ界の出来事や、ゼインアーツが発表してきた「機能と藝術の融合」というコンセプトの変遷を振り返ります。
特に、ファンの中で囁かれる「ゼインアーツは金曜日」の法則については、過去のデータからその傾向の強さを証明し、近年直売が増えたことで一時的に発売日が分散したにも関わらず、依然として金曜日が最多であるという最新の傾向についても深く考察します。
ゼインアーツの歴史、製品のリリースサイクル、そしてその戦略のすべてが分かる、保存版の年表としてご活用ください。
※この一覧では、インナーテントやフットプリントなど一部アクセサリーは除外しています。情報については細心の注意を払っていますが、個人の趣味でまとめた情報であることをご了承ください。
2018年 ゼインアーツ創業

2018年8月。北アルプスの玄関口、長野県松本市でゼインアーツは誕生しました。
【独創の思想】「機能と美」の両立がゼインアーツの原点

ゼインアーツの製品が時代を超えて支持され続ける核心は、創業者であり開発者である小杉敬代表が掲げる「機能美ではなく、機能と美のバランスを追求すること」という独自の思想にあります。この哲学は、創業から最新の製品まで一貫して貫かれています。
1. 「機能美」ではなく「機能と美」を両立
小杉代表は、機能を追求しすぎると「機能の塊」となり、自然の中で「違和感が生じる」と考えます。レジャーとしてのキャンプは「美しい環境に行って心を安らげる」行為であるため、プロダクトにも美しさが必要不可欠です。
小杉代表: 機能を追求していくと、やはり機能の塊にしかならない。機能は確かに果たしている。でもそこに「美」というものが存在していないので、違和感が生じるんです。機能美とひとつの言葉で括ると言うよりは、「機能」と「美」のバランスを追求していくこと。これがいま僕がプロダクトで目指すことです。
ゼインアーツは、このバランスを極限まで突き詰めることで、「自然に調和する造形美」と「キャンパーの利便性」を両立させています。
2. 「ワンポール+拡張」という共通手法が生む機能と美

この「機能と美」の両立を実現するための、ゼインアーツの核心的な手法が、「ワンポールを基盤に、フレームで空間を拡張する」という共通構造です。
- 【機能性】設営の容易さ:ワンポールがテント全体の大黒柱となるため、設営手順が大幅に簡略化され、大型のツールームテント「ロロ」でさえも一人での設営が可能になりました。
- 【美しさ】デッドスペースの削減と造形美:立ち上げたワンポールからフレームを追加することで、従来のテントではデッドスペースになりがちな空間を最大限に効率化(機能性)。同時に、幕の立ち上がりや軒(のき)の構造に工夫を凝らすことで、大きく見えても設置面積は抑えられた、自然に馴染む美しい佇まいを実現しています。
この共通の考え方は、「ゼクーM」のような円形のティピー型から、「ロロ」のような長方形のツールーム型に至るまで一貫しており、ゼインアーツのテントが「人が住める芸術作品」と評される所以となっています。
2019年 発売製品
ゼインアーツのプロダクト第一弾は、ゼクーM、ギギ1、ロガ4、ゲウの4モデルでスタート。
自然の中で美しく佇むそのデザインはいつまでも色褪せることがありません。
ゼインアーツのコンセプト「機能と藝術の融合」は流行に左右されない普遍的なものと感じます。
発売日
製品名
画像
2019年4月6日(土)
ゼクーM

2019年4月6日(土)
ロガ4

2019年4月6日(土)
ゲウ

2020年 発売製品
日本でもコロナウイルスが流行し、緊急事態宣言が発令された2020年。
シェルターとしてはギギ2のみの発売でしたが、各種インナーテントもこの年に発売されました。
発売日
製品名
画像
2021年 発売製品
第三次キャンプブームの波にある2021年。
新作ゼクーLの人気は高く「深夜から並んでも買えない…」との声まで上がったほど…。
従来製品も含め、抽選販売が当たり前の状況になってきました。
これまでの常識にとらわれない、斬新な機能とデザインを備えた製品が多く発表されました。
発売日
製品名
画像
2021年4月23日(金)
グラートステイク

2021年4月23日(金)
ステンレスシェラカップ

2021年6月25日(金)
オズハンガー

2021年6月25日(金)
コズハンガー

2021年7月16日(金)
オキトマ2

2021年7月30日(金)
ゼクーL

2021年8月27日(金)
グラートハンマー

2021年11月5日(金)
モビボックス

2021年11月29日(金)
グラートステイクラック

2022年 発売製品
地上波の「情熱大陸」で特集され大きな反響を呼んだ2022年。
爆発的人気を誇る2ルームテントの「ロロ」が誕生しました。
一方、タンブラーや1本110円のルーブなどは、家族の人数分揃えても負担にならない価格で発売。
また、ジグの初回限定ステッカー、ルーブの5色展開、チタニウムシェラカップの事前告知無しからの発売など、サプライズに富んだ年でもありました。
各製品にぺグが付属しなくなったのは2022年の入荷分からです。
そして12月1日、遂に念願のゼインアーツ公式オンラインストアがスタートしました。
発売日
製品名
画像
2022年4月22日(金)
スタッキングタンブラー

2022年4月22日(金)
コズホルダー

2022年7月8日(金)
ジグ

2022年7月8日(金)
ルーブ

2022年7月22日(金)
ロロ

2023年 発売製品
ゼインアーツとしては初のTCテントが発売された2023年。
あれだけ「TCは出さない」と言っていたのに、まさかの登場。
ユーザーの期待に応える年にしたかった、との背景もあったようです。
この頃からブラック系ギアが増えてきたかも。
ゼインアーツの人気は全く衰えず、モビボックスブラック、ジグハウス、ギギ1TC、トードテーブル、レードチェアはすべて発売日当日に売り切れました。
4月にはゼインアーツ公式インスタが乗っ取られ、別アカウントで再スタート、なんて事件もありました。
発売日
製品名
画像
2023年6月2日(金)
モビボックスブラック

2023年6月21日(水)
ジグハウス

2023年7月28日(金)
ロガ

2023年7月28日(金)
コズテーブル

2023年9月8日(金)
ゼクーM TC

2023年9月8日(金)
ギギ1TC

2023年10月23日(月)
トードテーブル

2023年11月10日(金)
レードチェア

2024年 発売製品
止まらない円安の影響が深刻になってきた2024年。
このどうしようもない状況を打破すべく、ゼインアーツとしては初の「公式オンラインストア専売」としてクク1、クク2を発売しました。
素材や物流コストの抑制で買いやすい価格を実現していますが、”安かろう”ではなく”スタンダードなテント”です。
7月1日~31日には期間限定で、ゼインアーツ公式サイトとしては初のセールが開催されました。
対象はオンライン専売品を除くテントで、割引率は一律10%でした。
9月にはハイスペックながら信じられないほど安価な販売価格で、ウータS TC,ウータL TCが発売。
公式サイトではなんと2分で完売という事態に。キャンプブームが終わってもゼインアーツの人気は全く衰えずという状況でした。
発売日
製品名
画像
2024年4月1日(月)
クク1

2024年4月1日(月)
クク2

2024年4月19日(金)
ギモーグ

2024年4月19日(金)
ミニオズハンガー

2024年5月31日(金)
ギギ2TC

2024年5月31日(金)
ゲウTC

2024年7月3日(水)
ヤール

2024年月8日26(月)
ダブルウォールボトル500
2024年月8日26(月)
コンパクトルーブスポーク
2024年10月11(金)
ワズケトル

2025年 発売製品
登山用アイテムやアパレル展開もスタートした2025年。
2月には定番商品の値下げ発表もありました。「良いものを適正価格で」の信念は、まったくブレません。
一方でディーラー(正規取扱代理店)の販売利益は減り、その影響か代理店での販売数が前年より大きく減少しています。
3月7日にゼインアーツ初の直営店となる愛知県長久手店、4月18日には東京の神保町に2号店がオープンしました。
また、公式アナウンスはありませんでしたが、Amazonでの販売もスタートしました。(一部のテントのみ)
発売日
製品名
画像
2025年2月13日(木)
トードテーブルウッドトップボード
2025年3月7日(金)
DCFスタッフサック
DCFドライバッグ
2025年4月4日(金)
ヤコTシャツ
2025年4月22日(火)
フーザレインジャケット/パンツ
2025年4月28日(月)
トードテーブルスライドボックス
2025年4月28日(月)
ノクポット20
2025年7月16日(水)
コンパクトルーブレードル
2025年8月22日(金)
84パンツ
2025年10月2日(木)
PEトートバッグ
2025年10月3日(金)
3セクショントレッキングポール
2025年10月10日(金)
トードテーブルツールラック
2025年10月10日(金)
ステンレスプレート16/20
2025年10月24日(金)
ノクツールズ(ターナー/レードル/トング)
2025年11月14日(金)
ミトミッドフルジップ
2025年11月14日(金)
チタニウムワイドマグ450
2025年11月14日(金)
チタニウムポット600/950
2025年11月21日(金)
ミトミッドハーフジップ
2025年12月中旬~1月中旬
ギンガ
2025年12月中旬~1月中旬
ロートードテーブル
経営戦略の転換:【ミッション】のための「まさかの値下げ」

2025年初頭、ゼインアーツは一部定番製品の値下げという、アウトドア業界では異例の決断を下しました。これは、単なる価格改定ではなく、創業以来掲げる「良いものを適正価格で」という姿勢と、ブランドの存在意義である【アウトドア人口を増やす】というミッションを貫くための、経営戦略の大きな転換点です。
1. 「適正価格」の追求と現状の課題
小杉代表は、近年リリースしたククやウータなどの低価格直販製品や、期間限定セールで得られたユーザーからの好意的な声を受け、「現在の市場において、従来の定番品の価格が適正とは言えない」と再認識しました。
- 課題: 不安定な経済状況下で、従来の定番品の価格は「適正」とは言えなくなっていた。
- 初期の対応策: ククやウータなどの低価格な直販製品をリリース(2024年)し、購入ハードルを下げる試みを実施。
2. 覚悟の決断:ディーラー利益の改善へ
定番品の価格を下げるためには、製造・流通・自社利益に加えて、「ディーラー(正規取扱店)利益」の改善が必須でした。
大幅な値下げは、店頭での現物確認の機会が減るなど、一時的に販売網が縮小するリスクを伴います。しかし、公式オンライン販売の主軸化や展示会での現物確認機会の増加など、環境が整ったことで、この長年の懸念を解消できる見込みが立ちました。
ブランドの覚悟: 「一時的に販売網が縮小するリスクがあるため、経営面での不安はありますが、我々のミッション【アウトドア人口を増やす】を果たすため、覚悟を決めて歩んで行きたいと思っております。」
3. 社会への貢献と価格の意義
この値下げにより、ゼクー、ギギ、ロロなどの主力製品が大幅に値下げされ、購入のハードルが大きく下がりました。
ブランドは、「定価を下げ、購入のハードルを下げることで、アウトドアの世界に踏み込む人々が増え、日本の美しい自然地域の活性化と環境保全につながる」ことを切に望んでいます。
この異例の値下げは、ゼインアーツの製品が「手の届きやすい適正価格」となり、「機能と美」を備えた高品質なギアで、新たなキャンパーを迎え入れるための「未来への投資」であると言えます。
【保存版】全製品 発売日・曜日別データ一覧
| 年 | 製品名 | 発売日 | 曜日 | 発売チャンネル/備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2019 | ゼクーM | 4月6日 | 土 | 初期プロダクト |
| ギギ1 | 4月6日 | 土 | 初期プロダクト | |
| ロガ4 | 4月6日 | 土 | 初期プロダクト | |
| ゲウ | 4月6日 | 土 | 初期プロダクト | |
| 2020 | ギギ2 | 7月10日 | 金 | |
| 2021 | グラートステイク | 4月23日 | 金 | |
| ステンレスシェラカップ | 4月23日 | 金 | ||
| オズハンガー | 6月25日 | 金 | ||
| コズハンガー | 6月25日 | 金 | ||
| オキトマ2 | 7月16日 | 金 | ||
| ゼクーL | 7月30日 | 金 | ||
| グラートハンマー | 8月27日 | 金 | ||
| モビボックス | 11月5日 | 金 | ||
| グラートステイクラック | 11月29日 | 月 | ||
| 2022 | スタッキングタンブラー | 4月22日 | 金 | |
| コズホルダー | 4月22日 | 金 | ||
| ジグ | 7月8日 | 金 | ||
| ルーブ | 7月8日 | 金 | ||
| ロロ | 7月22日 | 金 | ||
| チタニウムシェラカップ | 12月15日 | 木 | EC・直営店限定 | |
| 2023 | モビボックスブラック | 6月2日 | 金 | |
| ジグハウス | 6月21日 | 水 | ||
| ロガ | 7月28日 | 金 | ||
| コズテーブル | 7月28日 | 金 | ||
| ゼクーM TC | 9月8日 | 金 | ||
| ギギ1TC | 9月8日 | 金 | ||
| トードテーブル | 10月23日 | 月 | ||
| レードチェア | 11月10日 | 金 | ||
| 2024 | クク1 | 4月1日 | 月 | EC・直営店限定 |
| クク2 | 4月1日 | 月 | EC・直営店限定 | |
| ギモーグ | 4月19日 | 金 | ||
| ミニオズハンガー | 4月19日 | 金 | ||
| ギギ2TC | 5月31日 | 金 | ||
| ゲウTC | 5月31日 | 金 | ||
| ヤール1/2 | 7月3日 | 水 | EC・直営店限定 | |
| ダブルウォールボトル | 8月26日 | 月 | EC・直営店限定 | |
| コンパクトルーブスポーク | 8月26日 | 月 | EC・直営店限定 | |
| ウータS TC | 9月25日 | 水 | EC・直営店限定 | |
| ウータL TC | 9月25日 | 水 | EC・直営店限定 | |
| ワズケトル | 10月11日 | 金 | ||
| 2025 | トードテーブルウッドトップボード | 2月13日 | 木 | |
| クモ | 3月7日 | 金 | EC・直営店限定 | |
| DCFスタッフサック | 3月7日 | 金 | EC・直営店限定 | |
| DCFドライバッグ | 3月7日 | 金 | EC・直営店限定 | |
| ヤコTシャツ | 4月4日 | 金 | EC・直営店限定 | |
| ロロM | 4月11日 | 金 | ||
| フーザレインジャケット/パンツ | 4月22日 | 火 | EC・直営店限定 | |
| トードテーブルスライドボックス | 4月28日 | 月 | ||
| ノクポット20 | 4月28日 | 月 | ||
| コンパクトルーブレードル | 7月16日 | 水 | EC・直営店限定 | |
| ウカ | 8月2日 | 土 | ||
| 84パンツ | 8月22日 | 金 | EC・直営店限定 | |
| PEトートバッグ | 10月2日 | 木 | EC・直営店限定 | |
| ウータM TC | 10月3日 | 金 | EC・直営店限定 | |
| 3セクショントレッキングポール | 10月3日 | 金 | EC・直営店限定 | |
| トードテーブルツールラック | 10月10日 | 金 | EC・直営店限定 | |
| ステンレスプレート16/20 | 10月10日 | 金 | ||
| ノクツールズ(ターナー/レードル/トング) | 10月24日 | 金 | ||
| ミトミッドフルジップ | 11月14日 | 金 | EC・直営店限定 | |
| チタニウムワイドマグ450 | 11月14日 | 金 | EC・直営店限定 | |
| チタニウムポット600/950 | 11月14日 | 金 | EC・直営店限定 | |
| ミトミッドハーフジップ | 11月21日 | 金 | EC・直営店限定 | |
| DCFフラットポーチ | 12月5日 | 金 | EC・直営店限定 |
まとめ:ゼインアーツの歴史から見えたこと

創業から最新の2025年に至るまでのゼインアーツの発売日と歴史を振り返り、その動向を整理しました。
1. ゼインアーツの歴史は「機能と藝術の進化」
2019年のプロダクト第一弾の発売から、2022年の「ロロ」の爆発的ヒット、そして2023年のTCテント発売や2025年のアパレル・登山アイテム展開まで、ゼインアーツは常にキャンパーの期待を上回る製品を提供し続けてきました。
特に、創業時からのコンセプトである「機能と藝術の融合」は、時代の流行に左右されず、常に普遍的なデザインで多くのファンを魅了し続けていることが、発売日の変遷からも見て取れます。
2. 「金曜日発売」はブランド戦略の根幹
過去の発売日データを分析した結果、一時期、直売製品の増加によって発売曜日が分散した時期はあったものの、依然として金曜日発売が最も多いという傾向が明らかになりました。
これは、週末のキャンプに向けて準備を進めるユーザー心理を捉えた販売戦略や、大規模な新製品発表を週末前の金曜日に集中させるブランドの意図が強く反映されていると考察できます。
この記事が、あなたのゼインアーツの製品選びやブランド理解の一助となれば幸いです。
最新の在庫状況や販売情報は変動しやすいため、公式情報をチェックすることをおすすめします。
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