ペグハンマー比較レビュー!グラートハンマーvsスノーピークvsYOGOTO

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ペグハンマーの比較レビューをします。

 

用意したのは以下3つのハンマーです。

 

新進気鋭のゼインアーツ・グラートハンマー
絶対王者スノーピーク・ペグハンマーPRO.S
高コスパYOGOTO・ペグハンマー

 

形状・素材・設計思想の違いにより、使用感に大きな違いがあり驚きました。

 

詳しくレビューしていきます。

 

 

 

目次

基本スペックを比較

まず基本スペックを比較していきます。

 

※使用状況:グラートハンマーとスノーピークは2回使用。YOGOTOのペグハンマーは1年半使用しガタが出ており、針金をぐるぐる巻いて固定した状態です。ご了承ください。

 

  グラートハンマー ペグハンマーPRO.S YOGOTOペグハンマー
ヘッド素材 スチール(鋳造) スチール(鍛造) スチール(鋳造?)
グリップ素材 アルミ 木製 木製
サイズ(長さ) 26cm 29.2cm 30cm
重量(実測値) 523g 680g 660g
抜け防止 サポートエンド ストラップ 安全ベルト
メーカー ゼインアーツ スノーピーク YOGOTO
価格(税込み) 4,620円 4,400円 約2,500円
その他 逆さに自立する 日本製 収納ケース付き

左から:グラートハンマー、スノーピーク、YOGOTO

パッと見、スノーピークとYOGOTOは似ていますが、スノーピークのヘッドは鍛造でYOGOTOはおそらく鋳造です。

 

グラートハンマーのデザインは明らかに異質。

 

コンパクトで軽く、そして何よりペグハンマーの概念を覆す斬新なデザインでとてもかっこいいです。

 

スノーピークのハンマーはこの中では唯一の日本製でした。

 

グラートハンマーは中国製。YOGOTOも海外製です。

日本製は見かける機会が減りましたが、やはり安心感があります。

 

グラートハンマーは他に対して5~6cmも短い。

 

また、グリップにアルミを採用していることも特徴的。大きさだけでなく、素材でも軽量化に貢献しています。

 

持ち手はYOGOTOのみ、端部に向け少し湾曲しています。他はストレートですが、スノーピークはヘッド付近は細く絞り込んでおり、短く持つ際に持ちやすい形状です。

 

左から:グラートハンマー、スノーピーク、YOGOTO

ヘッド形状はグラートハンマーのみ四角。他は円形です。

 

グラートハンマーはこの形状の為、逆さに立てて置くことができます。

立てられる。紛失しにくい?かも

まあどっちでもいいですが、立てられると無駄に立てたくなります。

 

左から:グラートハンマー、スノーピーク、YOGOTO

実測でもグラートハンマーは他より150gほど軽い結果となりました。

スノーピークとYOGOTOが特別重いわけではありません。ペグハンマーとしては一般的な重さです。

 

 

ハンマーの握りやすさを比較

左から:グラートハンマー、スノーピーク、YOGOTO

握り心地にはかなり違いがあります。

 

グラートハンマー:明らかに細い。アルミの素材感はひやっとする冷たさを感じる。

スノーピーク:ほどよく握りやすい。違和感をまったく感じない。

YOGOTO:太い。女性には握りにくいと感じるかもしれない程に太い。

 

握って好感触なのはスノーピークのペグハンマーPRO.Sでした。

スノーピークの持ち手

まず、スノーピークは太さが適切です。断面形状はグラートハンマーとYOGOTOは楕円ですが、スノーピークだけは八角形でした。シンプルな楕円より角があるほうが握りやすいです。

 

さらに「あやめ加工」が施されていて、滑り止めの効果があります。

通常は端部をガッチリ握って打ち込む。軽く打つ際は中心部(やや細い箇所)を握ってコツコツと打ち込む。どちらにも対応できるようになっています。素晴らしい。

 

見るほどによく考えられた設計であることに気づきます。

 

 

ペグの打ち込みやすさを比較

さて、最も重要な打ち込みやすさの比較です。

 

使用したペグは、ゼインアーツのグラートステイク、チタンペグ25cm、打刀16cmです。

 

一言で評価すると下記です。
グラートハンマー:打ち損じしにくい。細いペグも打ちやすい。
スノーピーク  :ガンガン入る。ペグにダメージが出やすい。
YOGOTO  :ごく普通。

 

 

打ち込む気持ちよさ

打ち込んで気持ちいいのはグラートハンマーとスノーピークでした。YOGOTOは可もなく不可もなく普通でした。

 

スノーピークはとても握りやすく重量バランスが良く、違和感なく打ち込みができます。

適切な配置のストラップ

ヘッド付近に取り付けられたストラップは、位置・長さが理にかなっており、手首に掛けピンと張ると自然に”いい位置を握れます。

 

短いと窮屈。長すぎると邪魔なだけですが、スノーピークのストラップは完璧です。対してYOGOTOの安全ベルトは持ち手の端部(下)に取り付けられており、しかも長すぎて邪魔なだけ。結局取り外してしまいました。

 

打ち込みの「音」も特徴があります。スノーピークのヘッドのみ鍛造です。鍛造ペグを打つと「キーン、キーン」と甲高い音を響かせます。

 

ハンマーの長さが生む遠心力×充分な重さ×鍛造ヘッドの合わせ技でペグをガンガン打ち込めます。今回使用した中では、最も少ない回数でペグの打ち込みが終わります。

 

唯一気になったのはペグへのダメージです。

 

鍛造ハンマーと鍛造ペグの組み合わせは、ペグに対するダメージも大きい。

 

打ち損じの影響もありますが、YOGOTOのハンマーで力まかせに叩いても、ここまで傷がつくことはありませんでした。

 

一度の使用でこれだけペグへのダメージがあると、長く使うとどうなるんだろうと不安になります。(ペグも安くないので…

鍛造ヘッドのハンマーはペグへのダメージも大きい

ペグハンマーPRO.Sの長所を失わずにペグへのダメージを減らしたい…。

 

銅ヘッドのペグハンマーPRO.Cならば解決できると、この時に気づきました。PRO.Cの銅ヘッドは衝撃を吸収しペグのダメージを和らげます。ヘッドは消耗したら交換が可能。やっぱり使ってみなければ分からないものですね。

 

 

 

続いてゼインアーツのグラートハンマー。

滑りやすさはグローブで解決

持ち手の細いグラートハンマーですが、女性や手の小さい方でも持ちやすいとも言えます。

 

太いグリップの場合「ガシッ」と強く握って打ち込みたくなりますが、グラートハンマーを握ると「ペグは力で打つんじゃないんだよ」と言われてるような気がしてきます。

 

やや滑りやすい点はグローブで解決できます。高価なものでなくても大丈夫です。

 

写っているのはワークマンで購入した「護(まもり)01」というもの。278円で購入でき、手の疲労感も減るのでオススメです。

 

サポートエンドはゴム製

すっぽ抜け防止のストラップの替わりにサポートエンドがあります。ゴム製なので、打ち込み時に手に当たっても違和感はありません。

 

頼りなさそうに見えるサポートエンドですが、使ってみるとちゃんと機能していると感じました。むしろこれがないとハンマーがすっぽ抜けて飛びそうで怖いです。

 

ヘッドの重心はかなり外側

グラートハンマーの特徴は、全体の重量バランスがヘッドに集中。さらにヘッドの外側にかなりオフセットしていることです。

 

よって、コンパクト&軽量ながら振り下ろす際の遠心力は強く働きます。

 

この構造を理解し、力任せに握らずヘッドの重さと遠心力を使うイメージでペグを打ち込みます。

 

比較すればスノーピークよりわずかに打ち込む力は弱いですが、必要にして充分です。全長の短さもあり、打ち損じはほとんどなく着実に打ち込みができます。

 

ヘッドは鋳造です。鍛造のグラートステイクを打つと「コーン、コーン」という音。深く打ち込んでいくと「ゴンッ、ゴンッ」といった低い音に変わってきます。ハンマーとペグの素材によりここまで音が変わるというのは新鮮でした。

 

鍛造ハンマー×鍛造ペグ = 甲高い音
鋳造ハンマー×鍛造ペグ = やや低い音

 

甲高い音は気持ちいい反面、遠くまで響きます。夕方に設営する場合は、少し気になるかもしれません。

 

左:スノーピーク 右:YOGOTO

重心の視点で比較した所、YOGOTOに対してスノーピークのほうがやや遠心力を生かせるような設計になっていることに気づきました。

 

YOGOTOよりスノーピークの方が打ち込みが強く感じたのは、鍛造・鋳造ヘッドの違いだけでなく、この遠心力の違いも影響したようです。

 

YOGOTOの打ち込む気持ち良さは、あまり評価すべきことがありません。

特別良くもないけど悪くもない。普通です。

 

ただ、このハンマーしか使っていない期間に、不満を感じた事は一度もありません。

ある意味では、とてもバランスがとれた商品とも言えます。

 

価格も考慮した場合、コストパフォーマンスは相当に高いです。

 

 

打ち損じのしにくさ

最も打ち損じが少なかったのはグラートハンマーです。

長く重いほど打ち込むパワーに繋がりますが、反面、打ち損じも増えます。

 

グラートハンマーのサイズは「絶妙」な所をついてきたな、という感じです。また、四角いヘッド形状は、円形ヘッドよりも的を外しにくいです。

 

ヘッド面積が狭いチタンペグ打ちやすく、力任せに打つと曲がってしまう打刀も確実にコツコツと打てました。

 

スノーピークも悪くありません。

 

正確に打ちたい場合は、持ち手の中央部分を握ります。くびれた部分を握ることで滑りも抑え確実にペグを捉えることができます。

 

ただし、正確性だけを考えた場合、もともと短いグラートハンマーのほうが扱いやすいです。

 

YOGOTOもヘッドに向けやや絞り込まれていますが、それでもやっぱり太い。無駄に力が入りがちです。正確に打つという点では他の2本が優れています。

 

 

ペグの抜きやすさを比較

ペグの抜きやすさは想定外の結果に。YOGOTOが最もよかったです。

 

まず、フック部分はスノーピークと似ていますが、YOGOTOのほうが細くペグに引っ掛けやすいです。

 

スノーピークはフック部分のサイズが大きく強度は高そうですが、ペグの種類・掛ける位置によってはフックが奥まで入りません。

 

引き抜きに関してはYOGOTOは優秀

また、YOGOTOの持ち手の太さが功を奏し、フックを掛けたあとグイグイとペグを回転させる際に力がとても入れやすい。

 

やや湾曲した持ち手端部の形状は、引き抜きにおいて滑りにくいというメリットもあります。

 

引き抜きではサポートエンドが気になる

一方、グラートハンマーは引き抜きに関しては少し残念な結果に。

 

フックは細くペグに掛けやすいですが、グリップが細い為回転させる際に力を入れにくかったです。

 

引き抜き時は滑りやすく、サポートエンド(画像の赤矢印部)が手に当たって気になりました。

 

ペグを抜く作業は、グリップが太い方が力が入れやすくて簡単です。

 

 

ペグの耐久性を比較

耐久性については使用期間の長いYOGOTOのみ評価します。

約1年半使用したYOGOTO

使用期間は約1年半です。使用回数はキャンプ26回程。

 

使用環境は地面が硬めのキャンプ場が多く、ややハードな環境でした。

 

これだけ使った結果、ついにガタが出てきました。数本ペグを打つと画像のようにヘッド固定金具は歪んで固定ピンも頻繁に浮いてしまう状態に。針金ぐるぐる巻きで誤魔化しましたが、さすがにそろそろ限界ですね。

 

本音はもうちょっと持って欲しかった。

 

とはいえ、グラートハンマーやスノーピークの半額です。これらが同じ環境で倍の3年持つか?を考えると自信は、あまりありません。(長期検証は続けます)

 

YOGOTOはやはり、コスパを考えると充分満足できるハンマーだったと言えます。

 

 

まとめ:結局どれがおすすめなの?

さて、結局どれがいいのかって話です。

一長一短で決められないので採点しました。

  グラートハンマー ペグハンマーPRO.S YOGOTOペグハンマー
デザイン ★★★ ★★ ★★
握りやすさ ★★ ★★★ ★★
抜け防止 ★★ ★★★
打つ気持ち良さ ★★★ ★★★ ★★
打ち損じの少なさ ★★★ ★★
ペグの抜きやすさ ★★ ★★★
ペグのダメージ ★★ ★★
コスパ ★★ ★★ ★★★
TTL評価点 18/21 18/21 16/21

結局、グラートハンマーとスノーピークペグハンマーPRO.Sの同点になりました…。

 

PRO.Sの唯一の★1「ペグへのダメージ」については、PRO.Cを買えば解決できます。が、コスパは一気に下がりますね。

 

全然まとまりませんが、無理やりまとめます。

 

・コスパ重視orキャンプ回数が5回以下/年ならYOGOTOのペグハンマーで必要充分。

・かっこいいが正義ならゼインアーツのグラートハンマー。

・お金に余裕があるならスノーピークのペグハンマーPRO.C。お金はちょっと抑えたい&ペグのダメージを気にしないならPRO.S。

 

こんな感じでしょうか。

PRO.SとPRO.Cはハンマーとペグのどちらを消耗品と見るかの違いですね。あと、PRO.Cの方が銅ヘッドは衝撃を吸収するので手の負担も少ない事を付け加えておきます。

 

しかし、ここまで悩ましい結果になるとは、思いもしませんでした。

 

次のキャンプで使うハンマーを決められず、少なくとも2本は持って行くことになりそうです(笑)

 

 

以上、ペグハンマーの比較レビューでした。

 

なかなか悩ましいですが、あなたがベストなハンマーを手にできることを、心から願っています。

 

では。

 

 

 

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