2026年9月、イワタニから「マイ暖mini」が発売されました。従来のマイ暖より、横幅が約30%小さくなったモデルです。
「小さくなって、テントは暖まるの?」「従来のマイ暖とどっちを買えばいい?」と迷っている方も多いと思います。
私は従来のマイ暖(CB-STV-MYD)を約5年、キャンプと自宅で使ってきました。この記事では、そのマイ暖で測った温度のデータをもとに、miniの実力を予想します。
先にお伝えしておくと、私はマイ暖miniを使っていません。この記事は、従来のマイ暖の実測と公式のスペックから出した「予想」です。その前提で読んでいただけるとうれしいです。
結論:小さいテントと春秋キャンプならmini、中型テントなら従来のマイ暖

先に結論です。
- ソロ用の小さいテント(220×180cmくらいまで)なら、miniでも十分暖まるはず
- 春秋キャンプは石油ストーブなしで、荷物を軽くしたい人には、本体が小さく持ち運びが楽なminiが向いている
- 中型のテント(ogawaのタッソくらい)や、真冬に大きなテントで使うなら、従来のマイ暖のほうが安心
なお、マイ暖はどちらも、テント全体をポカポカにする暖房ではありません。私は「寒い朝、点火してすぐ暖かいサブ暖房」と位置づけています。ここに一番の価値があります。
冬のふもとっぱらキャンプ場で、キンキンに冷えた朝のことです。マイ暖をつけると、すぐに手先と足先が温まりました。
テントの中から眺めた早朝の富士山は、本当にきれいでした。マイ暖のおかげで、寒さに震えずに、その景色をゆっくり眺められました。

マイ暖miniと従来マイ暖の違い【比較表】
まずはスペックの違いです。数字はイワタニの公式ページから引用しています。
| マイ暖mini (CB-STV-MIN) | マイ暖 (CB-STV-MYD3) | |
|---|---|---|
| 最大発熱量 | 0.93kW | 1.0kW |
| 暖房のめやす (木造/コンクリート) | 2畳/3畳 | 3畳/4畳 |
| 連続燃焼時間 | 約3時間40分 (最大火力) | 約3時間20分 (標準) |
| 火力の調整 | 無段階 | 標準/弱の2段階 |
| 幅×奥行×高さ | 218×243×271mm | 312×222×290mm |
| 重量 | 2.3kg | 約2.6kg |
| 色 | ブラック | アイボリー |
| 安全装置 | 4種類 | 4種類 |
| 使用場所 | 屋内専用 | 屋内専用 |

大きな違いは3つです。
- 横幅が94mm小さい(312mm→218mm)
- 火力を無段階で調整できる
- 暖房のめやすが1畳分小さい(木造で3畳→2畳)
一方で、重さの差は300gだけです。奥行きはminiのほうが21mm長くなっています。「全体がひと回り小さい」というより、「横幅がスリムになった」と考えるのが近いです。
なお、従来のマイ暖には型番違いの「CB-STV-MYD」「CB-STV-MYD2」「CB-STV-MYD3」があります。いま公式サイトに載っているのはMYD3で、出力・燃焼時間・サイズ・重さは、私が使っている初代のCB-STV-MYDと同じです。
出力が7%下がっても、テントは暖まる?私の実測から予想
一番気になるのは「小さくなって、暖かさは大丈夫?」という点だと思います。
miniの最大発熱量は0.93kWで、従来の1.0kWより7%低い数字です。そこで、私が従来のマイ暖で測った2つの検証に、この差を当てはめてみました。
ソロ用テント(TCルーテント):miniでも十分暖まるはず

2022年2月、ふもとっぱらキャンプ場で、TCルーテント(220×180×130cm)の中で検証しました。外気温は-8〜-10℃。テント内が-5℃まで冷えた状態から、マイ暖だけを標準モードでつけています。
結果は、30分で6℃、1時間で10℃。1時間で15℃上がり、正直「ちょっと暑いくらい」でした。

この上がり幅を単純に0.93倍すると約14℃。miniなら1時間で9℃前後になる計算です。実測で暑いくらいだったので、miniでも十分暖まると私は考えています。

「暖房のめやす2畳」は小さすぎない?
気になるのが、miniの暖房のめやすが「木造2畳」に下がっている点です。
TCルーテントの床は220×180cmで、約2.4畳。めやすを少し超えています。
ただ、テントは高さが130cmしかありません。空間の大きさで比べると約5㎥以下で、天井2.4mの2畳の部屋(約7.8㎥)より小さい空間です。床の広さだけで見るほど不利ではない、と私は見ています。
※住宅とテントでは断熱性がまったく違うので、あくまで目安です。
正直に書いておきたい注意点
ここは正直にお伝えします。
私の検証は、ゼクーMの中にTCルーテントを張った「カンガルースタイル」でした。外側のテントが、風と冷気を防いでくれていた条件です。
ソロテントを単体で張った場合は、もっと暖まりにくいはずです。真冬にソロテント単体で使うなら、上の予想より低めに見ておいてください。
もう1つあります。従来のマイ暖には「弱」モードがあり、ガスの消費が約15%少なくなります。使ってみると、標準と弱では暖かさが結構違うと感じました。
miniの出力の差(7%)は、その半分くらいです。大きな差ではありませんが、従来品と比べると「少し弱い」と感じる可能性はあります。
中型テント(ogawa タッソ):miniではぎりぎり

2023年4月には、ポリエステル幕のワンポールテント「ogawa タッソ」で検証しました。外気温は最低6℃です。
結果は、30分で外気温より5〜6℃高くなりました。「寒くて不快」が「ほどほどに快適」に変わる、くらいの暖かさです。
これを0.93倍すると、miniでは外気温+5℃前後の計算です。従来のマイ暖でもタッソが限界の大きさだったので、miniではぎりぎりと考えています。
タッソくらいのテントで使うなら、従来のマイ暖を選ぶほうが安心です。

私は春秋キャンプで石油ストーブを持っていかなくなった
ここからは、私がminiに期待している理由です。
近年、私は春と秋のキャンプに石油ストーブを持っていかなくなりました。理由はシンプルで、重いからです。

代わりに出番が増えたのが、マイ暖です。春秋なら、大きすぎないテントとマイ暖のセットで十分でした。
灯油の運搬や給油がなく、ガス缶を必要な本数だけ持っていけばいい。これが本当に楽でした。

この「荷物を減らせる」というメリットは、本体が小さいminiなら、さらに生きると思います。
miniの良いところ:キャンプに持っていきやすい
横幅が小さく、片手で持ちやすい
miniは横幅が218mmで、従来品より94mm小さくなりました。取っ手も本体と一体型になっています。
車に積むとき、ほかの荷物のすき間に入れやすくなります。テントの中でも、置き場所に困りにくいはずです。
火力を細かく調整できる
従来のマイ暖は「標準」と「弱」の2段階だけです。小さいテントでは暑くなりすぎることがあり、もう少し細かく下げたいと思っていました。
miniは無段階で調整でき、いちばん弱くすると0.3kWまで下げられます。公式によると、弱火なら理論上はガス缶1本で約10時間です。小さいテントで「暑すぎる」ときに便利な変更だと思います。
ガス代は少し安くなる計算
ガス缶1本で燃える時間は、公式の数字でminiが約3時間40分、従来品が約3時間20分です。同じガス缶なら、1時間あたりのガス代はminiのほうが約1割安くなる計算です。
私が従来のマイ暖で測ったときは、イワタニ純正のガス缶で1時間あたり約60円でした。miniなら、1時間55円前後が目安になりそうです。
※出力が低い分、暖かさも少し控えめになります。ガス代の差は、おまけくらいに考えてください。
前面ガードを外して掃除できる
miniは前面のガードを外して、中のホコリを掃除できます。キャンプで使うと灰やホコリが入りやすいので、ここもうれしい点です。
海外製の似た商品より、イワタニを選ぶ理由

Amazonなどでは、海外メーカーの似たカセットガスストーブも見かけます。
それでも私がイワタニをすすめるのは、メーカーの安心感が大きいからです。テントの中や家の中で火を使う道具なので、ここは妥協したくありません。
実際、私のマイ暖は約5年使って、不調は一度もありません。
安全装置も、miniと従来品の両方に4つ付いています。
- 不完全燃焼防止装置
- 立消え安全装置
- 転倒時消火装置
- 圧力感知安全装置
従来のマイ暖のほうがいい人
miniが向かないのは、こんな人です。
- タッソくらいの中型テントで使いたい
- 真冬に、大きなテントのサブ暖房として使いたい
- 自宅の脱衣所や足元でも使いたい(暖房のめやすが木造3畳と、miniより広い)
少しでも火力がほしいなら、従来のマイ暖を選ぶほうが後悔しにくいです。
どちらにも共通する注意点
テント内での使用は自己責任
マイ暖はminiも従来品も、メーカーの表示は「屋内専用」です。テントの中で使うことは想定されていません。
私はテント内で使っていますが、自己責任です。換気をしっかりして、一酸化炭素チェッカーを必ず一緒に使ってください。
風に弱く、屋外では使いにくい
-2℃の屋外で試したところ、風速1m程度の風でも炎が不安定になりました。焚き火の横などで使うのは難しいです。
寒いとガス缶によっては燃焼が不安定になる

イワタニのオレンジ缶は、テント内が-3℃になると燃焼が不安定になりました。SOTOのパワーガスなら、-5℃でも問題なく使えました。
※マイ暖の推奨品はイワタニのガス缶です。SOTOの缶を使う場合は自己責任になります。

よくある質問
Q. マイ暖miniはテントの中で使えますか?
A. メーカーの表示は「屋内専用」で、テント内での使用は想定されていません。使う場合は自己責任です。換気をしっかりして、一酸化炭素チェッカーを一緒に使ってください。
Q. ガス缶1本で何時間使えますか?
A. 公式の数字で、最大火力なら約3時間40分です。一晩(8時間)つけるなら、3本が目安です。弱火にすると、理論上は約10時間もちます。
Q. 氷点下でも使えますか?
A. 従来のマイ暖では、イワタニのオレンジ缶は-3℃で燃焼が不安定になり、SOTOのパワーガスなら-5℃でも使えました。miniも同じカセットガス式なので、似た傾向になると考えています(miniでは試していません)。
Q. マイ暖のCB-STV-MYD・MYD2・MYD3は何が違いますか?
A. 公式で確認できる範囲では、出力・燃焼時間・サイズ・重さは同じです。いま公式サイトに載っているのはMYD3(アイボリー)です。
まとめ:選び方の早見表
| こんな人 | おすすめ |
|---|---|
| ソロ用の小さいテントで使う、荷物を減らしたい | マイ暖mini |
| 春秋キャンプは石油ストーブなしで、荷物を軽くしたい | マイ暖mini |
| 中型テントで使う、自宅でも使う、少しでも火力がほしい | 従来のマイ暖 |
| 外気温0℃以下の冬キャンプ | どちらもサブ暖房と割り切る |
マイ暖miniは、出力が7%下がった代わりに、横幅が小さくなり、火力を細かく調整できるようになりました。
私の実測から考えると、ソロ用の小さいテントなら十分暖まるはずです。春秋キャンプの「石油ストーブの代わり」として、従来品よりさらに使いやすくなったと思います。
寒い朝、点火してすぐ暖かい。この気軽さは、miniでも変わらないはずです。