ゼインアーツのコピー商品を目にする事が増えてきました。
中には「これはOEM品です」といった商品説明が記載されているものがあります。
ゼインアーツのOEM?それ本当?
今回、明確な答えを得られましたので、報告します。
※記事内で使用している画像は、すべてゼインアーツの正規品の画像です。
ゼインアーツのOEMなど、存在しない
ゼインアーツのOEMなど存在しません。これが結論であり、事実です。
つまり「これはOEM品です」などと言っている商品はただの偽物です。
なんでお前が断言するんだよ。って声もあるかもしれません。
ですから、私がゼインアーツに確認し、以下の回答を得ました。
「OEMは一切ありません」
少なくとも、私が回答を得た2024年4月時点において、これは事実だと断言します。
OEMとは、他社ブランドの製品を製造する事、またはその企業のこと。OEM生産、OEM契約などと言われることもある
※サバティカルのシェラカップなど、ごく一部の製品への金型提供はあるようです。
コピー品だけど、本家より機能が多い?
で、そのコピー商品を見ていくと、こんな事も書かれています。
本家と見た目は同じ!でも機能が多い!だからコスパがいい!
…なるほど、本当でしょうか。
まず見た目。同じように見えるだけで、同じではありません。
例えばゼインアーツのジグはシリンダー部(透明部)がストレートな形状です。
対して偽物は、シリンダーが下にいくほど微妙に絞り込まれており、本物とは形状が異なります。
その理由は、ストレート形状は加工は難しくコストが高い。だからコピー商品は加工しやすく(安く)作れるよう、絞り込まれた形状になっています。
色味も変えられるから機能が多い、については、「価格は安いのに機能が高い」と購入者を納得させる為でしょう。コピー商品が後出しで+αをしてくるのは定番です。
その商品を作っている会社の狙いは、「お得に見せて売る事」それだけとしか思えません。
最後にコスパ。人により尺度が違うとはいえ、
後述する、リスク・保証・正規品製造会社への影響など総合に考えると、僕の答えは「論外」です。
取り返しのつかないリスクも
ゼインアーツのコピー商品で最も目につくのはジグです。
バッテリーを搭載しているからこれが怖い。
バッテリー関連の事故は年々増加しており、最悪の場合、火災にまで発展する恐れがあります。
もしも、テント内や、車内。家族が眠る屋内で発火事故が起きたなら。後悔どころでは済みません。
少し話がそれますが、5000円のモバイルバッテリーと2000円のモバイルバッテリーがあります。容量が一緒なら安いほうがいいじゃん、と思ってしまいそうですよね。
でも、安価なモバイルバッテリーには事故を未然防止する安全機構がなかった。これが価格の違いだった!なんてことが普通にあります。
さて、そのコピー品のジグは大丈夫でしょうか?
他社製品を違法にコピーし、安く作ったその偽物に、安全性は備わっているでしょうか。
僕はコピー商品を手にしていないので、真実はわかりません。
ですが少なくとも、コピー商品を製造する会社を、信用することはできません。
ゼインアーツはコピー品を保証しない
当たり前ですが、ゼインアーツはコピー商品に対する保証、サポートは行いません。
なお、ゼインアーツ公式のFAQには以下のように記載されています。
模造品について
ゼインアーツ
現在、国内のインターネットでの販売を中心に偽造品や模倣品が確認できております。弊社正規ECサイト、または正規代理店以外でご購入された製品につきましては初期不良等のサポート対象外になりますのでご注意ください。
コピー商品を買う理由、その多くは「安いから」だと思います。
結果、ゼインアーツからサポートを得られる機会を失います。
ゼインアーツの保証はとても手厚いです。「ゼインアーツ 神対応」などのワードで検索すると、過去の事例がいくつか見られます。
ほんの数千円ケチって、このサポートを受けられなくなるのは逆に「損」とも思います。
で、本来保証を行うべきコピー商品を製造した会社、何かあった際に保証対応を…まあ、期待できないでしょうね。
キャンプに向かう途中、荷室で発火した。車も失った。ほんの数千円ケチったばかりに。
そんなこと、自分には絶対に起こらないと、言い切れません。
買って得した?では、損したのは誰?
コピー品だけど、安かったから得しちゃった!本当でしょうか。
少しだけ、視野を広げて考えてみます。
その行為は誰に損失を与えているか?そう、ゼインアーツです。
本来ゼインアーツが得るべき利益を、コピー品購入者が消滅させています。
「いや、別に俺が買ったくらい大丈夫っしょ」と思うかもしれません。
良い製品を生み出す会社は、ミッション(使命)を持っており、ゼインアーツも同じです。
「良い製品をより適正な価格で提供し、より多くの人をアウトドアにいざなう」それを実現するために、ギリギリの価格設定を行っています。
ゼインアーツは2023年2月の価格改定の際、円安や原材料コストの上昇を受け、赤字に転落した事を明らかにしました。新作が出れば即完売していたあの状況下でも、です。
※その前年の2022年、各社が2ケタ%の値上げを発表する中、ペグの削除や材料変更で価格を維持したゼインアーツの英断、今でも鮮明に覚えています。
コピー商品を購入する理由の一つは「その見た目が気に入ったから」だと思います。
そのデザインを生み出してくれた会社がなくなっても、自分は得したと言えるでしょうか。
まとめ
ちょっと個人的な想いが入り込み過ぎてしまいました。
一応書いておくと、世の全てのコピー品を否定するのではなく、コピー品の議論をしたいわけでもありません。
一番伝えたかったのは、ゼインアーツのOEMは存在しないという事実、これです。
つまらない選択で、キャンプをつまらないものにしたくはないですね。
では。