ゼインアーツの新作、レードチェアをレビューします。
僕が感じた印象は、「キャンプ全般の活動を通して使い勝手の良いチェア」です。
チェア=座り心地がどうしても気になりますが、
単純に座り心地が良い・悪いの感想は人によって全く異なり、レードチェアは構造上、その好みが割とはっきり出るのでは?と感じました。
ポイントになるのは、以下の3つです。
・座面と背もたれが一体の座布
・ひじ掛けの角度
・座面前方にフレームがない
順に、ご説明していきます。
レードチェアのデザインはシャープでかっこいい!
フレームが美しく、かっこいい!
ゼインアーツ製品を見ると「美しい」という言葉がでますが、今回も美しくてかっこいいです。
目を引くのはシャープな印象のアルミフレーム。
ひじ掛けから後方斜め下に伸びるフレームは大きく傾斜し、端部はわずかに角度がつくことで他のチェアにはない雰囲気を生みます。
背面上部のフレームは後ろへ後傾し、背もたれと接触しないため違和感を感じにくい構造です。
注目してほしいのはこの素材感。
明るすぎず、暗すぎない絶妙なカラーがとてもかっこいい!
高級感もあり、所有満足感は隙間なく満たされました。
トードテーブルと近似色のフレームで、相性は完璧です。
チェアはブラックが人気ですが、コヨーテでも充分すぎるほどかっこいい!
背面にはデイジーチェーンがあり、自分だけのカスタムを考えるのも楽しそう。
しかし、後ろ姿もバッチリ決まりますね。
レードチェア・コヨーテとモビボックス・コヨーテを並べて。
同じゼインアーツなので、色味はバッチリです。
レードチェアブラックを買ったら、モビボックスブラックが欲しくなりそうですね。
ただの椅子。
なのにどうしてこんなにもかっこいいんでしょう。
どんなシチュエーションでもしっかりと魅せてくれます。
キャンプ場で「かっこいい…ああ、本当にかっこいい」と思いながら撮影しまくる姿が容易に想像できます(笑)
レードチェアの座り心地は好みが分かれそう
さて、肝心な座り心地ですが「これはいい!最高!」…とはならず、10日くらい毎日座り続けて考えました。
結論的には、人によりかなり好みが分かれそう。
僕のキャンプスタイルには、少しだけ合いませんでした。(かっこいいから使うけど)
手持ちのウッドチェアと比較して解説していきます。
※比較に使用したのはアウトドアショップswenのノースイーグル別注ウッドチェア(価格7000円くらい)です。
いわゆる「カーミット”風”チェア」で、よくあるウッドチェアとサイズ感は同等です。
大きな違いは3点です。
レードチェア | ウッドチェア | |
---|---|---|
①座面と背もたれの座布 | 一体 | 分離 |
②ひじ掛け | アルミ・後傾 | 木・フラット |
③座面前方のフレーム | 無し | あり |
重量 | 2.8kg | 3.1kg |
なお、アルミフレームという事もあり、レードチェアは一般的なウッドチェアに比べ、少しだけ軽いです。
①レードチェアは座面と背もたれ部の生地が一体構造
一体の生地によりお尻~腰までしっかりと体をサポート、体圧も分散され快適な座り心地を生む。
冬も腰部の寒さを感じにくいメリットもあります。
ですが、ですがです。
レードチェアの場合、どっしりと深く座ろうとしても背もたれ側の生地が張ってしまいます。
一体構造の生地が制約となり、座面後方のスペースには制約があるんです。
(それだから体をしっかりサポートする、とも言えますが)
一方ウッドチェアは、深く座ると分離した2つの生地が開くことで、空間が生まれます。
結果的に、どっしりと深く座ることができ、お尻が落ち着きやすいです。
一体生地で腰まわりをサポートするレードチェア
分離生地でスペースが生まれ、どっしり座れるウッドチェア
好みの問題ですが、この点に関して僕はウッドチェアが好みです。
※長時間座った場合は体圧分散されるレードチェアのほうが疲れないような気もして、ちょっと悩ましいですが。
②レードチェアの後傾したアルミ製ひじ掛け
レードチェアのひじ掛けは後ろ下がりに角度がついています。
見た目はかっこいいですが、普通に座った姿勢では腕との角度がフィットしません。隙間ができてしまい気になります。
一方ウッドチェアは比較的フラットで、違和感なく手を添えることができます。
背もたれがより倒れたチェアならば、この後傾したひじ掛けはいいような気はします。
アルミとウッドの手触りの違いも含め、ひじ掛けに関しても僕はウッドチェアのほうが好みです。
なお、無理やりひじ掛けにフィットする体勢をとった場合のイメージがこちら。
腰がかなり前にずれる、いわゆるだらしない座り方になります。疲れるのでおすすめはできません。
③レードチェアは座面前方のフレームがない
レードチェアには、座面の前方にフレームがありません。
この違いがとても大きかった。
まずウッドチェア。矢印位置に左右をつなぐ木製フレームがあります。
湾曲した形状なので腿の裏に接触しますが、それほど違和感はありません。
むしろもも裏のサポートにもなり、これはこれで安定感にも感じます。
姿勢としては、一般的な「座面後方が少し下がった座り方」になります。
よくある普通の姿勢で、違和感を感じません。
対してレードチェア。座面先端にフレームがなく、お尻~ももの裏までが比較的「フラット」になります。
ウッドチェアのフレームにあった「裏側のサポート感」がなく、人によっては落ち着かないと感じるかも。
ですが、レードチェアは脚をぽーんと前に放り出せたり、姿勢の自由度が高いです。
ズルズル滑りそうにも見えますが、腰のサポートがあること、また滑りにくい生地の為、割と快適に座れます。
そして気づいたレードチェアの最大のメリットがたぶんこれ
この椅子は動きやすい
え?椅子なのに動きやすいって意味わからん…。
はい、そうなんですが、本当に動きやすいんです。
この座面の形状で腰のサポートもある。動くときにやや障害になる座面前方フレームもない。
結果的に、体を起こしやすく椅子から起き上がるのも楽なんです。
だからレードチェアは調理もしやすい。食事もしやすい。
なるほどレードチェア。そういうことか。
なんだか、府に落ちた気がしました。
※公式HPでも「食事がしやすい」って書いてましたね。納得しました。
キャンプ全般を通して使いやすいレードチェア
チェア=座り心地に目がいきますが、キャンプって、思いのほか動いているんですよね。
設営して休憩して。調理して食事して。
セッティングを変えて、焚火して。また元に戻して。
キャンプ全般の「動き」を考えた場合、チェアに座る、背を起こす、立ち上がる。これらの動作って案外多いものです。
ウッドチェアはいい意味で「普通」なため、多くの人が座りやすいと感じると思います。
レードチェアの「座りごこち」は好みが分かれそうですが、この一日を通した動作を考えた場合、
結果的にはレードチェアのほうが疲れなかった、という事になるかもしれません。
実際に、家では座り心地に違和感を感じましたが、デイキャンプではとても快適に使えました。
家では「座った状態だけで評価」していたからかもしれません。
もしあなたのキャンプスタイルが、調理はしない、食事はいつも簡単なもの。
それよりもチェアに深く座って、景色を眺める時間を重視するスタイルならば、座り心地のみを重視した別のチェアの方が合うかもしれません。
実際に座って比較できればベストですが、それも難しいのが辛い所ですが。
僕から提案するならば、
・生地が一体のチェアと分離のチェアはどちらが好みか
・もも裏のフレームは有り/無しのどちらが好みかか
・自分のキャンプスタイル(活動的か、ゆったり派か)に合っているか?
・かっこよさを含めた見た目をどれだけ重視するか?
これらの要素から検討されるのがよいかと思いました。
以上、ゼインアーツ・レードチェアのレビューでした。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。